はじめに
エデュサットの基板にはGPSセンサの回路に関して、設計ミスがあります。 そのため、乾電池によるバッテリー駆動ではGPSセンサが動作しません。 (一方でUSBケーブルでPCと接続しているときは動作します)
ここでは設計ミスの内容と基板の修正方法に関して説明します。
※修正が必要な基板は、基板上のシルクで「100kinSAT_ver3.4」と記載されているものが対象です。
修正対象の基板
GPSセンサの回路設計ミスについて
エデュサットに搭載しているGPSセンサは5Vで駆動します。 USBケーブルでPCとESPマイコンを接続しているときは、PCから5Vが供給されているためGPSセンサは動作します。
しかしながら、乾電池から供給する際は約6V(=乾電池4本)の電圧を三端子レギュレータを介して3.3Vにして供給しています。 そのため、GPSセンサに5Vの電圧が供給されず、動作しない設計ミスがあります。
回路の接続関係のイメージ図
修正方法
バッテリ(乾電池)から三端子レギュレータを介さず、ESPマイコンの5V端子に接続するようにジャンパしてあげることで修正できます。
具体的には、下記画像のように三端子レギュレータの入力側とESPマイコンの5V端子を接続します。
修正した基板
この修正によって、ESPマイコンの5V端子に約6V(=乾電池4本)の電圧が供給されます。 エデュサットの基板上でESPマイコンの5V端子は、GPSセンサの5V端子と繋がっているので、GPSセンサにも6Vの電圧が供給されるのでバッテリ駆動で動作するようになります。
5V端子に6Vを供給して問題ないかという点に関して少し説明します。
ESPマイコンの5V端子は内部で「AMS1117-3.3」というレギュレータに接続されていて、このICを介してESPマイコン本体に3.3Vを供給しています。 そして、このICは最大電圧15Vまで印加可能なため、6Vの電源を接続しても問題ありません。
また、GPSセンサにも6Vの電圧が供給されますが、GPSセンサには「XC6216P332PR-G」というレギュレータが接続されていて、このICは10Vまでの入力が可能なため問題ありません。
バッテリのスイッチをONにした状態でPCとESPマイコンを接続した場合は、ESPマイコンに搭載されているショットキーバリアダイオードがPCのUSB端子側へ不正に電流が流れることを防ぎます。